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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

つながって生きる

2月22日夜、NHKスペシャル「ワーキングプア」のチーフプロデューサーのお話を聞きました。この講演会のことを知って1ヵ月半、ずっと楽しみにしてきました。

ショックを受けそして感動させられたあの番組がいったいどんな人によって、どうつくられたのだろう? 出演した方たちはいまどうしているのだろう? と思いながら――。

「番組の誕生のきっかけは飲み屋での議論から。五反田の雑居ビルに、親に捨てられた子どもが生活していて保護された。(生存権をうたった)憲法25条が守られていない。なぜか? 人間らしい生活ができない、上にあがれない人は自己責任の問題だという人がいるが、本当か? 個人の努力ではどうしようもない現実があるのではないか?」

話をきいていると切なくて勝手に涙があふれてきます。

「こだわったことは、顔を出して取材に応じてもらうこと。500人以上の人を取材したがほとんど断られた。半年かかった。さらけ出すことで何かが変われば―という人たちがテレビに出てくれた人たち。その勇気と覚悟が番組の説得力となった。」

今度は感激の涙が出てきました。

社会とのつながりを断ち、生きてきた青年が始めて涙を見せる場面が番組の中にありました。まだホームレスではあるけれどまわりの人たちとつながりホームレス支援事業で働く中で人間性を回復した瞬間であり、人間として生きる原点を映した瞬間でもありました。

I青年は「社会復帰をちゃんとして、自分と同じような人の手助けがしたい。つながりをだいじにしたい。」と一歩一歩前に足を踏み出していました。

いま、ワーキングプアの温床となっている不安定雇用、派遣労働をめぐって、大きな変化が生まれています。情勢はますます面白くなってきました。

厚い壁にはみんなで手をつないで立ちむかっていこうではありませんか。

それが人間の生きる原点なのですから。

「清田区新聞」08年03月09日付より