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日本共産党
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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

アイヌの人たちを知ることから

北大構内は私にとって懐かしい響きがあります。両親の仕事の関係で小学6年の夏から冬にかけ理学部と農学部の建築現場に住んでいたからです。

両親は季節労働者でしたから暮れには田舎に戻るのが通常なのですが、「行ったり来たりでは娘さんがかわいそうだから」と現場監督の方の好意でそれ以来札幌に住み続けることになったのです。

その北大構内にアイヌの人たちが住んでいたことを知ったのは昨年でしたが、6月12日、ようやくこの目で確かめることができ、祖先と私たち自身の罪の大きさに衝撃を覚えました。

北大構内を南北に流れるサクシュコトニ川はかつて北海道有数のサケが上る豊かな川、そのほとりには竪穴式住居があり、たくさんのアイヌの人たちが暮らしている集落がありました。

ところが明治政府はアイヌの人たちから「名前」も「言葉」も「住居」も奪い、痕跡すら隠ぺいし、それは今に続いています。

北大のキャンパスガイドマップにも看板にも「遺跡保存庭園」と書いてあるだけで「アイヌ」の「ア」の字もありません。

札幌に住んでいる市民のどれだけの人がその歴史を知っているのでしょうか。国会では長年の苦渋に満ちた歴史の中でようやく「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が6日、全会一致で採択されました。決議をほんとうに実のあるものにするのはこれから。北海道に住む私たちが「アイヌ」の人たちを知ることから始まるのではないでしょうか。

ツアーの案内をしてくださった小川隆吉さん、早苗さん、小野有五さんには、言葉で言い尽くせないほどの感謝の思いで、エルムの森をあとにしました。

(6月18日記)

「清田区新聞」08年06月22日付より