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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

映画『沈まぬ太陽』を観て

2000年5月、全道働く女性の集会の記念講演は、『沈まぬ太陽』の主人公恩地元のモデルである小倉寛太郎さんでした。

日本航空の労働組合委員長として会社からの理不尽な差別人事に屈せずたたかった彼の講演の半分以上は、意外にも人間形成にいろんなかげを落とした、という戦争体験でした。

「15歳で、戦争に負けた年、“再びこのようなことがあってはならない。だまされていた。上の人間の言うことを鵜呑みにしてはいけない”と痛感し、その後の生き方が決まった。だから、みなさんの期待と違うかもしれないけれど聞いて欲しい」。

集会後のデモ行進にも先頭ではなく後ろのほうにいたわたしたちの近くでにこやかに「わたしは歩くのが速いんです」などと話をしながら、足取り軽やかに一緒に歩いたことを思い出します。

10日、南郷18丁目の早朝宣伝のあと映画『沈まぬ太陽』を観に行きました。

苦悩と葛藤のなかでもがきながらも信念を貫く主人公恩地の生き方に、胸をうたれました。そして、さまざまな圧力をはねのけて映画を完成してくれた方たちの勇気と希望を感ぜずにはいられません。

人生、社会、自然への思いを深く感じさせる、この秋必見の映画です。

(11月11日記)

「清田区新聞」09年11月15日付より