Since 2007/03/08
夕べ、NHKの『さかのぼり日本史』を見ました。
今から、約230年前、江戸幕府幕末からは100年前ですが、1780年代に、日本近代史上最悪の災害、天明の大飢饉が東北地方から全国へと広がりました。
福島県塙町の代官だった寺西重次郎さんは、大飢饉のもとで、農村を立て直し民政を重んじるためには、人口の増加が不可欠と、堕胎や新生児の「間引き」がされないよう、手引き書を家々に配り、困窮者には養育手当を出すなど、民政を充実させる藩政を三十数年にわたって勤め上げたそうです。
「江戸でも4日間で500軒もの米屋が襲撃されるなど治安が悪化し、それまで軍事政権一辺倒だった幕府も、民の福祉をやる政府へと180度の転換がはかられた。民中心の世の中、民間需要の拡大と行政の形を変えた」と、茨城大学の先生が話しておられました。
暴動を食い止め、治安をよくするためには、力づくめではなく、根本原因を取り除くことが必要だったからでしょう。
民主党野田政権が進めようとしている、税と社会保障の一体改革にしてもTPPにしても、原発政策にしても民の幸せは遠のくばかりです。
札幌市はどうでしょう。
市長は五つの政策目標の1番に「子どもの笑顔があふれる街」をかかげています。
しかし保育料は上げる、児童館の学童保育料は上げる、国民健康保険料未納世帯の子どもの学資保険は差し押さえる――では、子どもの笑顔が消えてしまいそうです。
塙町は福島原発から70キロ圏内。寺西重次郎代官ならどんな行政をするでしょうか。
(10月12日記)
「清田区新聞」11年10月16日付より