Since 2007/03/08
認知症は誰にでも起こりうる脳の病気だといわれています。85歳以上では4人の1人にその症状があると言われています。
認知症の人とその家族を支え、誰もが暮らしやすい地域をつくっていこうと、自治体、民間企業、地域が一体となって「認知症100万人キャラバン」運動が全国で展開されています。
勤医協きよた在宅センターのTさんに声をかけていただいて、10月28日の夜、「認知症サポーター養成講座」に参加しました。
参加者全員が修了証とオレンジリングをもらいました。オレンジリングは認知症サポーターの目印として毎日使っているカバンにつけています。
オレンジリングを見るたびに講座で紹介された詩が思い出されます。
施設で亡くなったある認知症患者さんの遺品から自作の詩が見つけられました。その詩は看護師さんに話しかけるように綴られていました。
「看護師さん、私はあなたに言われるまま――。いつもおもしろくない顔をしている。/でも私のなかには10歳の私がいる。20歳の私がいる。30、40、50の私がいる。最愛の夫を亡くした私がいる。/看護師さん、私の心を見て、私の心に話して――」
かなり長い詩でしたが、おおまかにはこのような内容だったと思います。
私は高齢の方への認識を改めさせられました。表面だけを見ていた自分を恥じました。
帰り際に、ある高齢の方から「この間愚痴を言ってごめんね――」と言われました。
見えにくい表情の奥にひっそりとたたずんでいる、心からの声だと思いました。
(11月02日記)
「清田区新聞」11年11月06日付より