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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

いいなあ「子ども力」

15日の夕方、ご近所に原発ゼロの署名をお願いに行ったときのことです。

子どもの頃から知っているお母さんのYさんと話していると、小学3年の坊やが現われて、話を聞くともなくお母さんの傍らにたっていました。

そのうち飽きてきたのか、もぞもぞ動きだしとうとう床に寝そべって、足を上げたり下ろしたりし始めました。

大人があの子と同じことをしたら――と想像し一人で思い出し笑いをしたところです。

「うー、とても真似はできない。子どもはやっぱりすごいなあ」と脱帽です。

彼の冬休みの自由研究は「一日お母さん体験記」だそうです。

「難しかった?」と聞くと、また体をクネクネさせて「ウーウン」と首を左右に振りました。

Yさんは「私、恥ずかしいけれど、事故がおこるまで、原発が54基もあるなんて知らなかった」と言って、署名をしてくれました。

私は4人の子ども達と小学生の時、交換日記を交わしました。

娘が1年の時の日記。

「わたしはきゅうしょくがすきです。とくにぶどうパンが大すきです。なぜかというと、それはおいしいからです」

読んで何度も吹き出しましたがこれは究極の真実です。

「日本は原発をやめました。なぜかというと、それは危ないからです――」

真実を現実にするのは大人の責務ではないでしょうか。

(1月18日記)

「清田区新聞」12年01月22日付より