月に１回、介護施設に絵手紙ボランティアに行ってから４年ぐらいになるでしょうか。

中には「自立」で認定されている方もいらしゃいますが、殆どの方は「要支援」「要介護」に認定され、認知症と思われる方もすくなくありません。

昨年暮れの例会には、お年玉袋に描かれているひょうたん、鯛、コマなど好きなものを選んでもらいました。

１月は節分の鬼の面。おまけの面を何枚ももらうために、豆菓子を幾つも買いました。

その結果、豆を食べ過ぎたのはいうまでもありません。

２月は赤や黄色、オレンジと色とりどりの野菜パプリカ。

今月は久しぶりに、お花にしようと思いましたが、安くて、きれいで描きやすいお花というのはおいそれとは見つからなくて、結局描きやすくはないけれど、デンファレにしました。

心配には及ばず、９人の参加者が思い思いのデンファレを描き上げました。

参加して３度目のある方は、「お友達に出そうと始めたけれど、描いたら出すのがもったいなくなってまだ出していないの」と嬉しそう。　

「春よ来い　きょうもゆめみる」とすてきな言葉を描きそえた女性は、今回も壁に貼った作品を見て、「私のはどれ？」と私にきいてきました。

施設のパンフの表紙に書かれた「あなたらしさで暮らす家」――私らしく最期まで生きることのできる住まいは、誰もが求めているはずなのですが――。

（3月21日記）

※　デンファレ＝胡蝶蘭に似た花をつけるデンドロビウム属の洋ランの仲間。デンドロビウム・ファレノプシスの略称。

「清田区新聞」12年03月25日付より