Since 2007/03/08
今年も実家で作ったおもちでお正月を迎えました。
子どもの頃は、お向かいやお隣にできたてのおもちをお皿に入れて持っていきました。
もちろん50年以上前ですから、臼と杵で両親がぺったんこねこね、ぺったんこねこねとついたおもちです。
老後を迎えてから、昔を懐かしむように実家では餅つき器を購入しました。母が高齢になって最近は姉中心に作っていますが、ここ何年かは手伝いにも行けず、出来上がった後に貰ってくるだけのわたしです。
元日の朝、一年ぶりに使う餅焼き網でふっくらこんがり焼かれたおもちのお雑煮は、一番にわたしをお正月気分にさせます。
年が明けると、新調した下着をきて――お年玉をもらうと姉と一緒に、胸をワクワクさせながら、普段は通りすぎるだけの玩具店に行きました。
一枚のおおきな厚紙に50枚の札を印刷したトランプはハサミで切ってから遊びました。雪あそび、たこ揚げ、羽根突き、いろはがるた――おせちは全く記憶になく、漁師の祖父母から送られたゆでだこを「うまいうまい」と食べ過ぎた父が胃を悪くし、まだ30代だった母がぼやいていたことが思い出されます。
わたしのお正月の記憶には、一度たりとも戦争の姿はなく、貧しくともそれなりの希望があったように思います。
安倍首相の言う「美しい日本」――野蛮な軍国主義復活の黒い影は、夏の参院選で吹き飛ばさなければなりません。
暮れの25日に生まれた双子の初孫のためにも――。
(01月09日記)
「清田区新聞」13年01月13日付より