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吉岡ひろ子のエッセイ「お元気ですか」

「海流座」公演を観て

米倉斉加年さん率いる劇団「海流座」公演を観ました。

2作とも40分程度の作品で、北翔大学の学生さんたちも共演していました。

木下順二作「二十二夜待ち」は、「馬鹿」がつくほどの正直者――藤六と、ならず者の掛け合いが面白くも、ジンとくる民話劇でした。

もう一つは、菊池寛作の「父帰る」。

家のお金を持ち出し、3人の子どもと妻を20年放っておいた男が落ちぶれて帰ってくるストーリーです。

米倉斉加年さん演じる「父」――惨めでかっこ悪く、そして哀愁ただよう人物と、4人4様の反応と対立に、家族とは――と、問いかける作品です。

演劇を終えての米倉さんのあいさつが心にしみます。

「北海道には、東京で失われたものがあります。自然もすばらしいし人のあたたかさも違う。そして観に来てくれたみなさんのおかげで、私たちは今日一日演じることができました。本当にありがとうございました」

米倉さんは2000年に劇団民芸を退団し、人生のラスト・ステージを仲間と共に全国の旅回りをして生きたいと、今年も北海道にやってきたのでした。

2年ぶりの観劇でしたが、映画にはないふれあいと心に訴える力を今更ながら感じています。

木々の紅葉に、闇を照らす月に…自然の美しさに心を奪われる秋です。

(10月23日記)

「清田区新聞」13年10月27日付より